Ccfolia Log

諏訪姫

「ふんふん～♪」

諏訪姫

鼻歌を歌いながら軽やかな足取りで帰宅している。

諏訪姫

……と、見慣れぬ景色が目に入る。

諏訪姫

「……？あれ？わらわ道を間違えてしまったかのう？」

諏訪姫

きょろきょろと周囲を見回していると、見覚えのない洋風の街並みの中に看板を見かける。

諏訪姫

「……んんん？これは何かのう？」

諏訪姫

看板に近づいて、その内容を読んでみる。

諏訪姫

「ふむふむ……様式はわからぬが西洋風じゃのう。こっちの人形も外国の服装をしておる」

諏訪姫

一人でうんうんと頷きながら、もう少しよく見ようとする。

諏訪姫

ccb<=80　目星 (1D100<=80) ＞ 56 ＞ 成功

諏訪姫

「おや？これは彫刻かのう……可愛らしい林檎の形じゃな！」

諏訪姫

背をかがめて人形の足下に手を伸ばして林檎の彫刻を手に取る。

諏訪姫

「……ふふっ、綺麗な林檎の形もよいが、これはこれで趣深いのう」

諏訪姫

にこにこしながら、林檎の形の板がかかっている扉の方へと手を伸ばして立ち上がろうとする。

諏訪姫

「……ふぇっ？」

諏訪姫

力をかけた部分がふいになくなったような感触を受けて、そのまま扉の中へと転がり込む。

諏訪姫

「いたたたた……」

諏訪姫

むくりと起き上がり、着物についた埃を払いながら立ち上がる。

諏訪姫

「……んっ？」

諏訪姫

なんじゃろうか。転けたから……というわけではない痛いような、痒いような感覚が……。

諏訪姫

「……それはそれとして、じゃ」

諏訪姫

身体の違和感よりも、思いがけず入ってしまった建物の方に意識を向ける。何か壊してしまっていないだろうかと周囲を確認してみることにした。

諏訪姫

ccb<=80　目星 (1D100<=80) ＞ 79 ＞ 成功

諏訪姫

「……とりあえずぱっと見では何も壊していないみたいじゃな」

諏訪姫

ほっと胸をなで下ろして、再度まじまじと周囲を見てみる。

諏訪姫

「ふむ。見たところお店のようじゃが、めぼしい商品がないのう？……店員さんはおるのかの？」

諏訪姫

長机の裏に見える扉の方へと声をかける。

諏訪姫

「……聞こえておらぬのかのう？」

諏訪姫

聞き耳で人気を探ってみてもよいか？

諏訪姫

ccb<=82　聞き耳 (1D100<=82) ＞ 83 ＞ 失敗

諏訪姫

「………」

諏訪姫

会話内容は何やら良くわからぬが店員さんはおるようじゃな。こちらに出てくるまで少し物色してみようかのう。

諏訪姫

くるりと踵を返して、中央の丸机を見に行く。

諏訪姫

「綺麗な布じゃのう。これが商品というわけではないと思うが……」

諏訪姫

丸机の上にかかった上質な布を持ち上げてみたりする。

諏訪姫

ぺらっ。

諏訪姫

「……何か隠してあるってわけでもなさそうじゃな」

諏訪姫

「むむむ……それにしてもお店なのに本当に何もないようじゃが」

諏訪姫

今度は壁の棚の方へと足を向ける。

諏訪姫

ccb<=80　目星 (1D100<=80) ＞ 80 ＞ 成功

諏訪姫

「……むむっ？よく見てみれば一部埃が被っていない箇所があるのう。商品が置いてあったのかの？」

諏訪姫

再度店内を見回すも相変わらず何もないことを確認して。

諏訪姫

「……もしかして全部売れてしまったのか？」

諏訪姫

思いがけず入ってしまった建物じゃったが、せっかくなので何か記念になるものを……とでも思っておったのじゃが。

諏訪姫

「……店員さんに聞いてみるかのう」

諏訪姫

最初に確認した長机裏の扉の方へと歩いて行き、軽く扉を叩いてみる。

諏訪姫

「……ふぇっ！？」

諏訪姫

力を入れたわけでもないのに勝手に開いてしまった扉に驚いたあと、その先には誰もいないことを確認したことで二度驚いてしまう。

諏訪姫

ccb<=58 (1D100<=58) ＞ 20 ＞ 成功

諏訪姫

「……つい先ほどまで声が聞こえておったはずなのじゃが……」

諏訪姫

人気を確認しようと扉の先へと一歩足を踏み出す。

諏訪姫

「……むむむ。誰もいないようじゃが、先ほどの声の主はわらわが気付かぬうちに奥の方へと行ったのかのう？」

諏訪姫

きょろきょろと周囲を確認したあと、視界に入った扉へ……と向かう前に作業台に足を向ける。

諏訪姫

「……おや？これは人形の部品のようじゃな」

諏訪姫

作業台の上に置いてある各部品を手に取って見てみる。

諏訪姫

どちらも同じ数値じゃからあいであじゃ！

諏訪姫

ccb<=80　あいであ (1D100<=80) ＞ 94 ＞ 失敗

諏訪姫

「……ふむ。作りかけの人形が七体じゃな！」

諏訪姫

特に何も思いつくことがなく部品を元の場所に置いて、棚と絵画が飾ってある壁の方へと歩いて行く。

諏訪姫

「ふふっ、可愛らしい絵じゃのう」

諏訪姫

ccb<=57 (1D100<=57) ＞ 80 ＞ 失敗

諏訪姫

1d2 (1D2) ＞ 1

諏訪姫

「豚と牛と蛇の絵じゃな……何かを表しておるのかのう？」

諏訪姫

絵に癒されつつも小首を傾げて、そのまま棚の方に視線を向ける。

諏訪姫

ccb<=80　図書館 (1D100<=80) ＞ 91 ＞ 失敗

諏訪姫

「ふむふむ……こっちはちゃんと中にものが入っておるようじゃな」

諏訪姫

「……さて……あいたぁっ！？」

諏訪姫

棚から扉の方へと顔を向けたとき、頭に衝撃が走りその場にうずくまる。

諏訪姫

1d3 (1D3) ＞ 3

諏訪姫

「背が、わらわの背が縮んだ気がするのじゃ……！」

諏訪姫

涙目で恨めしそうにしながら頭に落ちてきたもの方へと視線を向ける。

諏訪姫

「……本？」

諏訪姫

「ふむふむ……これは動物図鑑のようじゃな」

諏訪姫

ぺらぺらと中身を確認して、こんなものが頭に落ちてきたのじゃから痛いのも納得じゃなと思いつつ。

諏訪姫

「……そしてこっちは写真立て……に、なぜか絵を入れてあるようじゃな」

諏訪姫

まったくどこから落ちてきたのじゃと、立ち上がりながら周囲を確認し、先ほどまで見ていた棚の中身がなくなっていることに気がついて。

諏訪姫

「……もしかしなくてもわらわの自業自得か？」

諏訪姫

申し訳なさそうにしつつ、頭に落ちてきた図鑑や写真立てを棚へとしまう。

諏訪姫

「……さて、今度こそ」

諏訪姫

くるりと最初に視界に入った扉の方に顔を向けて、そちらへと歩を進める。

諏訪姫

扉の前で聞き耳じゃ！

諏訪姫

ccb<=82　一応 (1D100<=82) ＞ 74 ＞ 成功

諏訪姫

「……何も聞こえないのう」

諏訪姫

一応扉を軽く叩いてみるのじゃ。

諏訪姫

「………むむむ」

諏訪姫

勝手に開けてよいものか……。しかし先ほど聞こえてきた声の主は見つからぬし、お店の方も無人じゃと色々とまずい気がするしのう。

諏訪姫

「ええい。ままよ！」

諏訪姫

今更引き下がるわけにも行かず、店員を探して黒い扉を開け放つ。

諏訪姫

「んんん～～～っ！」

諏訪姫

「な、なんじゃこれは！？女子のわらわではとても開けられないのじゃ！？」

諏訪姫

「……しかし開けられないのなら仕方ないの。なぜ誰もいないのかは気になるが、御暇するしかなさそうじゃ」

諏訪姫

踵を返してお店の入り口の方へと歩いて行く。

諏訪姫

「……ふぇっ？」

諏訪姫

扉の前でぴたりと足を止める。わらわが入ってきたときは開いていたはずの扉がいつの間にか閉まっていた。

諏訪姫

しかも押しても引いても開くことはなく、完全に閉じ込められてしまった。

諏訪姫

「どっ、どういうことなのじゃ！？」

諏訪姫

考えてみてもわからない。この場にはわらわ以外には誰もいなかった。声は聞こえたがその主とはすれ違うこともなかった。

諏訪姫

「……だとすると、じゃ」

諏訪姫

外から閉じ込められた？なぜ？どうして？

諏訪姫

「む、むむむ…？」

諏訪姫

考えながら店内をぐるぐると歩いて回っていると、奥の部屋へと続く扉の前の長机に腕をぶつける。

諏訪姫

「あいたっ！？」

諏訪姫

「……そういえばこれはなんなのじゃ？」

諏訪姫

腕がぶつかったことで長机の上に置いてある機械周辺を見てみる。

諏訪姫

「たしかお店の人にお金を支払った際に触っているのは見たことがあるが……絡繰はさっぱりじゃ」

諏訪姫

「……むむ？」

諏訪姫

お金とは違う覚え書きのようなものを見つけ、それを手に取って内容を良く読む。

諏訪姫

「……ふむ。大体わかったのじゃ……また良くわからないことに巻き込まれてるのじゃ～～～！？！？！？」

諏訪姫

頭を抱えてこの状況に対し途方に暮れつつも、何度かおかしな体験をしていることからどうすべきかの答えも湧いてくる。

諏訪姫

「……とりあえず先ほどの人形じゃな、そこに手がかりがあるはずじゃ」

諏訪姫

奥の部屋に赴き、作業台の上の七体の人形に視線を落とす。

諏訪姫

「この紙には八体と書いてあるが、ここにあるのは七体……」

諏訪姫

お店を外から見たときの出窓にあった人形は、ここに置いてある作りかけの七体の人形と似てるところはあるかの？

諏訪姫

「……こ、これは英語では？わらわ英語は……」

諏訪姫

わなわなと身体を震わせながら、しっかりと確認してみると……。

諏訪姫

「あっ、ちゃんと漢字でも書いてあるのじゃ！？よかったのじゃ～！」

諏訪姫

英語の下に漢字でしっかりと振り仮名が書いてあることを確認して安堵する。

諏訪姫

「……そしてこっちの硝子細工は、絵や図鑑で見たものばかりじゃな」

諏訪姫

「ふむふむ……。なるほど、わらわにやらせたいことがわかってきたのじゃ！」

諏訪姫

「まずは七体の人形の背中に、それぞれの振り仮名の言葉に対応した硝子細工を入れればいいはず……なのじゃ」

諏訪姫

「……むっ、その前にあれはどうなっておったかのう？」

諏訪姫

作業を始める前に出窓に飾ってあった人形のことを思い出してそれを取りに向かう。

諏訪姫

背中を確認するのじゃ！

諏訪姫

わかったのじゃ！

諏訪姫

「……んんん？これはまた別なのかのう？」

諏訪姫

持って来た出窓の人形を邪魔にならないところに置くと作業を開始する。

諏訪姫

「まずは……豚！こいつは“暴食”じゃな！」

諏訪姫

暴食と振り仮名が振られている人形の背中に豚の硝子細工をはめ込んでみる。

諏訪姫

「……んっ」

諏訪姫

作業を進めていると身体全体を覆っていた違和感のひとつ、右足の違和感が消えた気がした。

諏訪姫

「……どうやらこの作業はここから出るだけではないようじゃな。気をつけて進めないと…！」

諏訪姫

次に牛の硝子細工を手に取る。

諏訪姫

「こいつは眠っておるから“怠惰”じゃな！」

諏訪姫

「……ふふんっ、良々じゃ！」

諏訪姫

次に狐の硝子細工を手に取る。

諏訪姫

「お主は“強欲”が過ぎるのじゃ！」

諏訪姫

「……ふぅ」

諏訪姫

ぐいっと額の汗をぬぐう。今のところ失敗はないがもし外してしまったらどうなるのか想像したくない。

諏訪姫

一息ついて獅子の硝子細工を手に取る。

諏訪姫

「お主は“傲慢”じゃな。まぁ獅子なら仕方ないのかもしれぬが…」

諏訪姫

「残りは蠍と狼と蛇じゃな」

諏訪姫

蠍の硝子細工を手に取る。

諏訪姫

「これは……恐らく“色欲”かのう？」

諏訪姫

「……よし」

諏訪姫

残りは2つ。じゃがここまで来たらもう当てずっぽうでもなんとかなりそうじゃな。

諏訪姫

狼の硝子細工を手に取る。

諏訪姫

「“憤怒”じゃな。片割れの死に怒っておるのじゃろう」

諏訪姫

「……そして最後は蛇じゃな」

諏訪姫

手を握ったり開いたりしながら身体の違和感が消えたことを確認する。

諏訪姫

「なぜか理由はわからぬが、この七体の人形にわらわの身体の自由を奪われておったようじゃな」

諏訪姫

「……それはそれとしてじゃ」

諏訪姫

「『部屋から出るなら蛇を殺せ。』」

諏訪姫

「これをそのまま実行するのなら、この人形をどうにかする必要があるのじゃが……」

諏訪姫

手に持った蛇の硝子細工が入った“嫉妬”の人形を見つめる。

諏訪姫

「……むむむ。先ほどまでわらわの右目の視界を奪っておったこやつを手にかけてよいものか……」

諏訪姫

「……ものは試しじゃな」

諏訪姫

悩むよりも実行するべきと考え、縫い針を手に取り“嫉妬”の人形の腕に突き刺してみる。

諏訪姫

「……ひっ！？」

諏訪姫

「……ふぇっ！？こ、これで良かったのか？」

諏訪姫

わらわに痛みが反射するのではないかと思ったが、どうやらその心配は杞憂だったみたいじゃな。

諏訪姫

「……痛い思いをさせてしまってごめんなのじゃ」

諏訪姫

“嫉妬”の人形の針を刺した部分にふせをするように布を巻き付ける。

諏訪姫

「これでよし！」

諏訪姫

「……あとは」

諏訪姫

作業台の上に出窓の人形を含めた八体の人形を並べる。

諏訪姫

「同じ人形なのじゃから、皆で仲良くするのじゃぞ！」

諏訪姫

人形達の真ん中に林檎の彫刻を置くと、くるりと踵を返して。

諏訪姫

先ほど開錠音がした扉の方へと足を向ける。

諏訪姫

そのままゆっくりと扉を開けて。

諏訪姫

2d6 (2D6) ＞ 11[5,6] ＞ 11